アルコール脱水素酵素(ADH1B)がADH1B*1/*1型の人は、アルコール依存症になりやすい

アルコール依存症
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ADH1Bは、アルコール代謝関連酵素で、ALDH2とセットで、アルコールを分解、最終的に酢酸して無害にします。

アルコール脱水素酵素(ADH1B)の役割

アルコール脱水素酵素(ADH1B)は、肝臓でアルコールを代謝してできた有害なアセトアルデヒドをアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)が無毒な酢酸に分解する。

アルコール脱水素酵素(ADH1B)の遺伝子型

ADH1Bの遺伝子型は、Arg47His多型(rs1229984)と表現され、アルコール脱水素酵素の47番目のアミノ酸がヒスチジン(His)の人とアルギニン(Arg)の人がいます。(4)

遺伝子型は3つあります。

遺伝子型SNPのDNAタイプ(2)SNPのアミノ酸タイプアルコール脱水素酵素の活性
ADH1B*1/*1(G;G)Arg/Arg非活性型
ADH1B*1/*2(A;G)His/Arg活性型
ADH1B*2/*2(A;A)His/His高活性型

[box class=”blue_box” title=”アルコール脱水素酵素の働き”]His型は、東洋人に多いと言われ、アルコール脱水素酵素の働きは、活性型の場合 (ADH1B*1/*2 と ADH1B*2/*2)は、非活性型 (ADH1B*1/*1)に比べて 70から80倍早く、アルコールをアセトアルデヒドに分解します。[/box]

日本人の割合

アルコール脱水素酵素 (ADH1B)の活性と日本人の分布表は、飲酒と健康より https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan/109/1/109_2/_pdf

大半の日本人は、活性型(ADH1B*1/*2 と ADH1B*2/*2)です。

5%は非活性型 (ADH1B*1/*1)です。

 

 

[aside] 
ADH1Bは、アルコールを分解してアセトアルデヒドに変える働きをしますが、ADH1B*1/*1型は、アルコール分解するのが遅いので、気持ちが悪くなる前に、沢山お酒を飲んでしまう人が多く、アルコール依存症になってしまう人が多い遺伝子型です。 [/aside]

ADH1B*1/*1型の人は、アルコール依存症になりやすい

ADH1B*1/*1型の人は、アルコール依存症になりやすいので気をつけましょう。

日本人では約7%のひとが低活性型ですが、アルコール依存症患者では約30%のひとが低活性型です。低活性型ADH1Bは飲酒量の増加を介して発癌を促すだけでなく、同程度の飲酒では、低活性型のひとのほうが食道や咽頭の癌になりやすいことのもわかってきました。

10,000組を超える双生児の縦断研究から依存症の原因の約半分は遺伝が原因であることがわかっており、それは男女共通とされています。1B型アルコール脱水素酵素 e-ヘルスネットより

ということで、アルコール依存症の半分は、遺伝要因、残りの半分は環境要因となります。[voice icon=”” name=”DNAパパ” type=”r”]アルコール依存症患者の約30%のひとが低活性型、これは驚きです。知らず識らずに酒を飲みすぎて、アルコール依存症なってしますのでしょうか、怖いですね。[/voice]

また、ADH1B*1/*1型の人で、喫煙、飲酒、アルデヒド脱水酵素の遺伝子型がALDH2*1/*2型の場合、食道ガンのリスクが189倍になりますので気をつけてください。

こちらに、関連記事がありますので、よかったら御覧下さい。

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参考資料:

 

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