ゲノム検査結果を素早く理解する為の基礎知識

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ヒトのDNAには30億もの塩基対があると聞く。それら全てをひとつひとつ見ていったとしたら大変なことになると容易に想像できる。

「たしかに、30億の塩基対すべてを比較しているわけではありません。見ているのは、SNP(Single Nucleotide Polymorphism、スニップ)、一塩基多型と呼ばれるものです。これは、ヒトのゲノムの塩基配列の中で、300カ所に1カ所ぐらい、つまり、30億のうちの1000万カ所くらいにある、個々人によって情報が違っている部分です。

1つの塩基が違うだけで、体内で作られる酵素などのタンパク質の活性が変わったり、そもそもその遺伝子が働かなくなったりします。肌や目や髪の色が違うのもSNPで説明できますし、実は血液型の違いもSNPの組み合わせで決まります。我々の食道がんの研究では、SNPのうち55万カ所を比較しました

第2回 食道がんのリスクを189倍にした要因が明らかに
27万人分ものDNAを保管するバイオバンクを使って、どんなことがこれまでに分かってきたのか、まずはごく初期の成果から紹介する。

A P value  <.05 was considered statistically significant.

ヒトの遺伝情報はゲノムを構成する塩基対で言えば、全部で30億くらいある。そのうち、1000万カ所くらいは、個々人によって違っている箇所があり、一塩基多型、SNP(スニップ)と呼ばれる。髪や目や肌の色のようにまさに目に見える特徴をはじめ、ひとことでは言い表しにくい「体質」などの個性を作り出しているのがSNPだ。

病気によって割合は異なりますが、病気の発症には遺伝要因が約30%、生活習慣などの環境要因が約70%影響していると言われています。

主な疾患(胃がん※1、肺がん※2、大腸がん※1、前立腺がん※1、乳がん※1、冠動脈性心疾患※3)における遺伝要因と環境要因の平均的な割合。病気によって、遺伝要因と環境要因の割合は異なります。
[出典]
※1. N Engl J Med.2000 Jul 13;343(2):78-85.
※2. Int J Cancer 2002,;99(2):260-6./Genet Epidemiol 2001; 20(1):107-116
※3. Eur.J.Hum.Genet. 2007; 15(8):872-7./Circulation 1980; 61(3): 503-8

遺伝要因と環境要因の割合を示すイラストの画像

残念ながら遺伝子は私たちの力で変えることはできませんが、遺伝子検査の結果でリスクが高いからといって、必ず発症するというわけではありません。環境要因に含まれる生活習慣を変えることで発症リスクを軽減できる可能性は高いとする研究もあります。

一方で、遺伝子検査結果でリスクが低くても、環境要因によって発症する可能性が高くなる場合もあります。例えば、がんとタバコの関係は代表的なものです。

タバコを灰皿に置いている写真の画像

また、遺伝子検査は定期的に健康診断で健康状態をチェックする意識付けにもなります。がんについては日本人の死亡原因として上位に挙げられていますが、現在は早期発見・早期治療を行うことで上手につきあっていくことも可能な時代となりました。

大切なことは、どんな病気にかかりやすいのかを知り、日頃から適切な生活習慣を身につけ、病気にかかる可能性を下げることを目指すことです。
遺伝子検査が、ご自身の現在の健康状態と向き合い、未来の健康を考えるひとつのきっかけになれば幸いです。

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