食道がんのリスクを189倍にする要因は、たばこ、飲酒、ALDH2とADH1Bの遺伝子変異型を保持している場合です。
東京大学 松田教授の2009年のGASTROENTEROLOGYに掲載された論文(参考文献参照)からの情報です。
松田教授らは, バイオバンク・ジャパンに登録されたDNAをもとに(現在23万人登録)、食道がんについて、約200人の患者と健常な人約1000人の56万カ所のSNPsを比較して、どんな遺伝子を持っている人がリスクが高いのか、ケース・コントロール・スタディ(症例対照研究)を行いました。[voice icon=”(画像アドレス)” name=”DNAパパ” type=”r”]SNP(Single Nucleotide Polymorphism、スニップ)、一塩基多型 [/voice]
要するに、食道がんの人と健康な人のゲノムを比較して、違いを見つけるという事です。
食道がんのリスクを189倍にする要因は、たばこ、飲酒、アルコール代謝に関している遺伝子、ALDH2とADH1Bの遺伝子変異型を保持している場合です。
[box class=”blue_box” title=”一番危ない、ALDH2とADH1Bの遺伝子型の組み合わせは、、、、”]アルコールを沢山飲んでしまいがちな、ADH1B*1/*1型とアセトアルデヒドをゆっくりしか分解できないALDH2*1/*2型が一番危ないです。[/box]
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アセトアルデヒドをゆっくりしか分解できないALDH2*1/*2型 か全然、分解できないALDH2*2/*2型の人は、アセトアルデヒドが血中に残りやすいので、顔が火照ったり頭が痛くなったり、不快な症状が出ます。お酒を飲んで顔が赤くなる人は要注意。[/aside]
ハーセリーズ・インターナショナル様の表が分かりやすいので、使わせていただきますが、この表ですと真ん中上のR1型が一番危ないという事です。この表は、アルコール感受性遺伝子検査キットの結果ですが、よく読むと、”飲酒による健康リスクが最も高いタイプ”と出ています。意味深ですが、松田先生の結果から考えますと、つまり、食道癌のリスクが高く、その上、タバコと酒を沢山飲んでいる場合は、もちゃくちゃ、危険度が増すという事です。表の中に(1.8%)と書いてありますが、日本の人口の1.8%ですので、少ないと言えば少ないですが、もし、あなたが、この遺伝子型の組み合わせの方は、是非ご注意ください。また、日本人の約3割がALDH2*1/*2型なので、要注意です。
参照:株式会社ハーセリーズ・インターナショナル アルコール感受性遺伝子検査キットの表
タバコと飲酒を制限すれば、リスクが28分の1
ただ、ADH1B*1/*1型とALDH2*1/*2型の遺伝子型を保持している場合でも、タバコと飲酒を制限すれば、リスクが28分の1になります。[voice icon=”(画像アドレス)” name=”DNAパパ” type=”r”]努力してタバコと酒を減らしましょう。たばこの煙には、癌のリスクを高める、アセトアルデヒドが含まれています。[/voice]
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ADH1Bは、アルコールを分解してアセトアルデヒドに変える働きをしますが、ADH1B*1/*1型は、アルコール分解するのが遅いので、気持ちが悪くなる前に、沢山お酒を飲んでしまう人が多く、アルコール依存症になってしまう人が多い遺伝子型です。 [/aside]
アルコール感受性遺伝子検査キットを上手に活用
アルコール感受性遺伝子検査キットを上手に活用すれば、食道がんのリスクもわかるので、既に検査された方は、その情報がそのまま使えますので、よく検査結果を見て、考えましょう。もし、結果を見て、心配になったら、かかりつけの医師に相談してください。
まとめ
この研究の、面白いところは、松田教授いわく、仮説を置かない研究から、ヒトの全30億塩基のゲノムの約50万基のSPNsを食道癌を分析した結果、
仮説を置かない研究から、食道がんの発症と非常に強く関連する遺伝子領域を同定できました。ALDH2とADH1Bと呼ばれる2領域です。これらは、アルコールの分解に関わる酵素の遺伝子だとすでに分かっていました。
NATIONAL GEOGRAPHICの日本版に掲載されている東京大学の松田浩一教授のインタビューより
二つの遺伝子型が食道癌と関連しているという研究や論文はたくさんあって、元々言われてきましたが、
松田教授の結果と、これまでの大勢の研究者の研究結果、その二つが、偶然にもマッチして、結果として出てきたのは、正直驚きと言いますか、これまで基礎研究をやってこられた研究者の方たち、すごいなと正直思いました。大規模ゲノム研究が、まさにこれまでの研究を裏付けたと言ってもいいでしょう。
アセトアルデヒドが、やっぱり悪さをするようです。私は、ビールやワインが大好物ですが、ブログを書くにつれて、危険性が明らかになってきて、酒量を減らすべきだなと、思ってきました。
アセトアルデヒド、なんとかならないでしょうか?
問題のALDH2とADH1Bの遺伝子型は、各社が発売している、アルコール依存症の遺伝子キットで、遺伝子型が分かりますので、良かったらご覧ください。
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アルコール感受性遺伝子検査キットを比べてみました。GENOTYPIST
このブログのもとになった松田教授のインタビューは、NATIONAL GEOGRAPHICの日本版に掲載されているので、こちらでご覧ください。
NATIONAL GEOGRAPHICの日本版に掲載されている東京大学の松田浩一教授のインタビュー
参考文献と参考資料:



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