血液型で病気のなり易さが違う 十二指腸潰瘍の場合

血液型
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血液型でどんな性格とか分かるというのは、誰でも聞いた事があると思いますが、血液型で病気のなり易さが違うという事があるようです。正直、初めて聞きました。

O型の人ではA型に比べ1.43倍十二指腸潰瘍になりやすいことが分かりました。

O型の人ではA型に比べ1.43倍十二指腸潰瘍になりやすいことが東京大学の松田教授らの研究で分かりました。

この研究の目的は、胃癌と十二指腸潰瘍と両方ともピロリ菌が原因菌なのに、どうして、十二指腸潰瘍の患者は胃癌になりにくいのかという事の解明でした。[voice icon=”https://dnanohanashi.com/wp-content/uploads/2019/09/blanc_20190906_201628-300×293.png” name=”DNAパパ” type=”r”]十二指腸潰瘍の患者は胃癌になりにくい、という事は、これまでの研究で分かっていましたが、理由が分かりませんでした。[/voice]

東京大学の松田教授らはバイオバンク ジャパンに登録されている7035人の十二指腸潰瘍患者及び健常者26116人を対象に、約60万箇所のSNPs(遺伝暗号)の違いについて調べました。その結果、2つの十二指腸潰瘍の原因遺伝子を発見しました。

2つの十二指腸潰瘍の原因遺伝子 一つ目は血液型を決めているABO遺伝子

一つ目は血液型を決めているABO遺伝子でした。

さらに、O型の人ではA型に比べ1.43倍十二指腸潰瘍になりやすいことが分かりました。

図1左の棒グラフを見ていただくと分かりますが、健常者と比べると、十二指腸潰瘍の場合、O型だけ増えて、A型は減ってます。

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図1 参照:タイトル:十二指腸潰瘍の2つの原因遺伝子を発見。なぜ十二指腸潰瘍の人は胃癌になりにくいがが遺伝子レベルで明らかに。O 型は十二指腸潰瘍になりやすい。

理由ですが、O型の人の赤血球の表面には、ABO遺伝子由来のH antigenというプロテインが存在します、同じプロテインが、胃や十二指腸の表面にも存在して、そこに、ピロリ菌がくっつくので、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃癌になりやすいという事です。

反対に、A型やB型の人は、H antigenがA antigen、B antigenに変わることができるので、基本的にH antigenがないので、ピロリ菌がくっつきにくいので、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃癌になりにくいのではないかという説が現在のところ支持されています。

[voice icon=”https://dnanohanashi.com/wp-content/uploads/2019/09/blanc_20190906_201628-300×293.png” name=”DNAパパ” type=”r”]血液型を決めているABO遺伝子が、血液型のためにだけあるのではなく、もともと体の何らかの役割しているわけで、今回の大規模ゲノム研究が、ABO遺伝子の他の役割や十二指腸潰瘍との関連を示したのは、非常に興味深く、バイオバンクは強力なツールだと思いました。[/voice]

血液型で病気のなり易さが違う 他のケース

さらっとですが、

血液型で病気のなり易さが違う、他のケースでは、

すい臓がん、心筋梗塞 それから、大腸菌O157またはコレラ菌の感染の重症がABO血液型にリンクされていると言われています。

今後の”DNAの話”でお話させていただきます。

2つの十二指腸潰瘍の原因遺伝子 二つ目は、PSCA遺伝子

二つ目の原因遺伝子は、PSCA遺伝子です。

[box class=”blue_box” title=”PSCA”]PSCAはProstate stem cell antigenといいまして、前立腺、膀胱、胎盤などに沢山あり、細胞の分裂・増殖に寄与します。

PSCAは癌を抑える場合もあるし、逆に進行を早める両方の報告がある。

膀胱癌、膵癌、前立腺癌での高発現や悪性度との関連が報告されていますが、胃癌、食道癌では逆に発現が低下しています。

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PSCA遺伝子で、十二指腸潰瘍になりやすいタイプの人(CC型)では潰瘍のリスクが1.84倍増える一方、TT型では、胃癌のリスクが約半分(0.59倍)になることが分かりました。図1右をご覧ください、十二指腸潰瘍ではCC型が増えています。反対にTT型は減っています。

松田教授らは、たった一塩基の違い(PSCAのSNPs, rs2294008 C型とT型の間で)によってですが、違う長さのPSCA蛋白質が作られることを見つけました。

長いタイプのPSCA(TT型)は細胞膜上にいることでき、膜上のPSCAは細胞の分裂増殖を活性化します。その結果、障害を受けた十二指腸粘膜の修復が進み十二指腸潰瘍にはなりにくくなりますが、逆に細胞の増殖が進むことで胃癌のリスクは上昇します。

一方短いタイプのPSCA(CC型)では細胞膜上にいることできず、細胞の中で速やかに分解されます。分解されたPSCAは局所の炎症反応を促進する事で、十二指腸潰瘍のリスクを高めると考えられました。

松田教授のまとめ

今回の研究により血液型やPSCAの遺伝子を調べることで、日本人の半数(50歳以上では50-70%)が感染していると言われるピロリ菌感染者の十二指腸潰瘍や胃癌の発症リスクが予測出来るだけでなく、リスクに応じて除菌や生活習慣の改善、定期的な内視鏡検査を行う事で病気の予防、早期発見が可能となります。さらにPSCAは色々な癌で活性化されている事から、PSCAを標的とした治療法の開発や、PSCA遺伝子の型に応じて薬を使い分けるなど、個別化医療が進んでいくことが期待できます。

まとめ

この研究は2012年の発表で、この時の、松田教授らの期待が、今、遺伝子検査キットの項目として使われているというのは、大変いいことだと思います。バイオバンクがあって、大規模ゲノム解析ができるという事の成果だと思います。

私自身も、O型で十二指腸潰瘍経験者で、ピロリ菌を除菌した経験もあり、一応、胃カメラは定期的に受けていますが、PSCAの遺伝子型を調べたほうがいいなと思いました。

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参考文献:A genome-wide association study identifies two susceptibility loci for duodenal ulcer in the Japanese population, Nature Genetics volume44pages430–434 (2012)

十二指腸潰瘍の2つの原因遺伝子を発見。なぜ十二指腸潰瘍の人は胃癌になりにくいがが遺伝子レベルで明らかに。O 型は十二指腸潰瘍になりやすい。

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