ALDH2 は,アルコールが分解された際に出てくる、アセトアルデヒドの処理に関わり、もっぱら、アルコール依存症や、お酒が飲めるとか、飲めない体質の人の事だけの話題かと思っていたんですが、佐賀大学の松本明子先生の論文を見て、ALDH2の変異型って、結構、やばいなと思いましたので、ご紹介いたします。ちなみに、今回のブログの内容は佐賀大学の松本明子先生の論文をもとに、書いてあります。松本明子先生は、ALDH2の権威です。
なんと、ALDH2の変異型の方の場合、食道がんのリスクが高くなる。
[box class=”blue_box” title=”ALDH2の変異型”] ALDH2の変異型の方は ALDH2 1/2 か ALDH2 2/2 です。日本人の半数は、ALDH2の変異型です。ALDH2 1/1がALDH2の活性の高い人たち [/box]
結局のところ、体の外からくるアルデヒドや、体内での物質の代謝でできるアルデヒドという有害物質を、(お酒の場合は、アセトアルデヒドなのですが)ALDH2が、分解できないと悪さをするようです。
アルデヒドは、がん抑制蛋白質発現量抑制したり、DNA付加体形成して、悪さをします。
ALDH2の変異型のひとは、有害な物質、アルデヒドを分解できないので、いろいろな悪影響を受けます。
食道がんは、その内の一つで、食道自体には、ALDH2があまりないようなので、食道で、アルコールが分解されて、アセトアルデヒドにはならないようなのですが、有力な説としては、唾液中のアセトアルデヒド濃度の差が発がんリスクに関連するという事だそうです。
[voice icon=”(画像アドレス)” name=”自分” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]唾液中って、ちょっとびっくりです。そんなに少量の唾液なのに、たぶん、しかも、また、少量しか含まれていないアセトアルデヒドが、食道がんを引き起こすと思うと、これは、見逃せないなと思いました。[/voice]
たぶん、毎日、結構な量の酒を飲んだ場合で、唾液は、いつもダラダラ出てるわけですから、その唾液に、有害物質が含まれていれば、いずれ癌が発生しても、おかしくないという事でしょうか。しかも、あなたがALDH2の変異型ですと、その確率は、もっと高くなるという事です。
実際に、癌は、10から20年かけて大きくなると言われています。という事は、だいたい、20歳くらいから、お酒を飲んで、その頃に運悪く癌が発生した場合、40歳くらいまでには、癌がかなりの大きさになっている可能性はあります。癌が発見されやすくなるのは、ちょうど40から50歳くらいなので、ちょうど一致します。
それから、タバコ煙にもアセトアルデヒドが含まれるため,タバコを吸う人においてもALDH2の変異型が相乗的な食道癌の危険因子となると言われています。

次に、私が驚いたのは、ALDH2の変異型は、おなかの中の赤ちゃんにも影響が出るという事です。
もし、おなかの赤ちゃんが、ALDH2の変異型であった場合は、胎児の細胞内で生じたアルデヒドは,血流に乗って胎盤を通過するまでは,比較的高濃度で残存すると考えられ、悪影響を避けられない。
さらに、お母さんのALDH2の活性がある場合でも,胎児のALDH2 が不活性であれば,喫煙や飲酒,過重ストレスなどによって生じたお母さんの血中アルデヒドが悪さをして、例えば、Fanconi 貧血を起こします。実際 ALDH2 2/2、ALDH2の全く活性の無い胎児のFanconi 貧血は,発症時期が早く重度であることが報告されているそうです。
とういうことで、胎児と親の遺伝子型って重要ですね。当然、胎児の検査はできませんが、胎児の遺伝子型の推測は、親の遺伝子型から推測できます。もし、仮に、両親が、どちらも、ALDH2 2/2という、全く活性の無いケースでは、赤ちゃんは確実に、アルデヒドの毒性に影響を受けてしまいます。仮に、片方の親が、ALDH2の変異型でも、結構な確率で、影響を受けてしまいます。
当然ながら、妊婦さんは、おなかの赤ちゃんの為に、お酒は避けたほうが、いいという事ですね。
それに、こうなってくると、遺伝子型の問題って、本人だけの問題じゃないってことになってきます。
できることでしたら、ALHD2を遺伝子検査してみてもいいかもしれません。もし、遺伝子検査に興味のある方は、こちらに商品のチェックしてみてはいかかでしょうか。
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そのほかのALDH2の変異型でリスクが高くなる疾患:
- アルツハイマー病
ALDH2の変異型でリスクが低くなる疾患:
- 抑うつ/不安神経症な どのリスクが低い
- 血圧が比較的低値
- 高齢女性の骨密度が比較的低値
- 双極性障害のリスクが低い
- 血清尿酸値やエネルギー代謝障害
ALDH系の物質に関わる疾患:
- ALDH3A2 によるシェーグレン症候群
- ALDH7A1 によるピリドキシン依存性てんかん
参考文献:
佐賀大学の松本明子先生
アルデヒド脱水素酵素 2(ALDH2)の構造・機能の基礎とALDH2 遺伝子多型の重要性
アルデヒド脱水素酵素 2(ALDH2)遺伝子多型の予防医学的重要性


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