GeneLife genesis 2.0 の360項目の遺伝子をよく見てみた。肥満タイプの遺伝子 β3AR

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GeneLife genesis 2.0 の360項目の遺伝子のうち、肥満タイプの遺伝子は3種類あります。本日は、その内の一つβ3ARについて、ご紹介いたします。肥満タイプのβ3AR遺伝子型 (β3AR Arg型)

アメリカのアリゾナ州のピマ インディアンは人口の50%が、2型糖尿病で肥満で、β3AR遺伝子型を調べると、かなりの確率で、遺伝子型が、Trp64Argだったそうです。(1)

日本人は、約3割の人が、この変異型に分類され、ほかの国に比べて、肥満になりやすいと言われています。

[box class=”blue_box” title=”β3ARとは”]

β3ARは脂肪細胞の細胞膜にあり,アドレナリンやノルアドレナリンを受容すると,細胞内で中性脂肪(糖分)を分解する酵素「ホルモン感受性リパーゼ」を活性化します。しかし、β3AR変異型の人では脂肪の分解の活性の低下につながります。そして、カロリー消費は下がります。(3)

また、β3AR遺伝子に変異がある場合、糖分を筋肉にとり込むインスリンのはたらきが弱く、余った糖は内臓脂肪として蓄積されます。(4)

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1995年のランセットという権威のある医学誌に、Yoshidaらが、88人の肥満の日本人を対象にした研究では、β3AR Arg型(β3AR変異型)の女性のグループでは、ウエストとヒップの比率と、内臓脂肪と皮下脂肪の比率も、β3AR普通型より、高かったと報告しています。(1)

それから、β3AR変異型グループでは、安静時代謝が約200 kcal/日 低いと報告されています。

[box class=”blue_box” title=”β3AR変異型の場合”] 私なりに、要約しますと、β3AR変異型の人たちは、最近言うリンゴ型で、内臓脂肪も多く、エネルギーの基礎代謝が低いので、太りやすいという事です。[/box]

日本人女性の、基礎代謝量が、1200kcalなので、そのうちの200kcalは、大体、2割くらいなので、ダイエット中の方は、気を付けたほうがいいですね。

女性アスリートを対象にした研究で、β3AR遺伝子多型と身体組成および体力要素をとの関連性について検討しましたが、(6)

体力要素(握力、背筋力、上体起こし、立ち幅跳び、反復横とび)および身体組成( 除脂肪量、体脂肪量) においてはβ3AR遺伝子型による差はなかったという事です。ただ、無酸素性パワーが、β3AR変異型グループで強かったそうです。

無酸素性パワーは、ウインゲートテストをやった場合で、例えば、30 秒間全力ぺダリングをして無酸素性持久力を測ります。

[box class=”blue_box” title=”アスリートの場合”]

私なりに、要約しますと、遺伝子型で差がなかったという事ですが、アスリートなので、元々、肥満ではありませんし、日常的にエクササイズしているの場合は、β3AR遺伝子型の影響は、出ないというという事かと思います。

ですから、アスリートまではしなくてもいいと思いますが、定期的にエクササイズをすれば、β3AR遺伝子型が変異型であったも、健康的な身体を維持することができるという事だと思います。

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β3AR遺伝子型のダイエットの影響についての、研究もいくつかりまして、

ひとつめは、適正減量を目標とする糖尿病予防教室に参加した肥満または耐糖能異常のある中年期成人37人を対象に、β-3アドレナリン受容体 遺伝子変異の有無によってダイエットによる減量効果に違いがあるのかどうかを検討しました。結果、同教室における遺伝子変異の有無と介入前後の各因子の変化との関連を評価した結果、体重、空腹時血糖値などのいずれの変化量も、遺伝子多型とは関連していませんでした。(8)

次に、2000-2005年に島根県出雲市壮年(平均56歳)のメタボリックシンドロームおよびその予備軍(日本人肥満群:男65,女210)に3カ月間の健康教育による生活習慣変容プログラムを行った。

その結果、男女、平均1.5 kg減量して,男性では遺伝子型に関係なく痩せたが,女性の場合、遺伝子変異型のグループは痩せにくいことが明らかになった。(5)

最後に、職域健診でBMI (体格指数) 24以上の男女で,遺伝子検査を承諾し,生活習慣病の治療を受けていない45人 (男性39人,女性6人) を対象とし、減量指導への遺伝子型よる影響を調べた結果、

指導開始から3か月後でも、指導8か月後でも、遺伝子型に関係なく、BMIの低下が見られた。(7)

[box class=”blue_box” title=”β3AR遺伝子型のダイエットの影響”]まとめますと、総じて、β3AR遺伝子型によるダイエットへの影響はなく、β3AR変異型の女性では、少し痩せにくいことがあるしれませんが。ただ、β3AR変異型でも、減量しているので、ダイエットを続けていれば、問題ないと思います。[/box]

最後に、年齢の影響についてですが、

β3AR変異型グループの場合、高齢になると、脂肪を燃やす褐色脂肪細胞が、減るという研究報告がありまして、β3AR変異型は年齢に影響される可能性があり、年齢とともに脂肪が付きやすくなるかもしれないと結論しています。(2)

わたしも、ジムに週4くらい行きますが、年齢のせいでしょうか、なかなかおなかの脂肪が取れません。もしかしたら、β3AR変異型グループに入っているかもしれません。

[box class=”red_box” title=”まとめ”]

  • β3AR遺伝子型によるダイエットへの影響はない
  • β3AR変異型グループでは、安静時代謝が約200 kcal/日 低い
  • β3AR変異型グループで、ダイエットや運動をしていない場合は、基礎代謝が低めなので、太りやすい
  • β3AR変異型グループでは、年齢とともに太りやすくなる

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β3AR遺伝子型によるダイエットへの影響はありませんので、日頃から運動をして、減量目指しましょう。

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参考文献:

(1) Mutation of beta 3-adrenergic-receptor gene and response to treatment of obesity. Lancet. 1995;346:1433–4

(2) Impact of UCP1 and β3AR gene polymorphisms on age-related changes in brown adipose tissue and adiposity in humans.

(3) 石井直方のPhysical Training メタボリックシンドロームになりやすい体質

(4) 日本人の95.5%は肥満に関する遺伝子が変異している?!

(5) 北東アジア人のβ3-アドレナリン受容体遺伝子多型と肥満

(6) 女性アスリートにおけるβ3-アドレナリン受容体遺伝子多型と身体組成および体力要素との関連性

(7) β3アドレナリン受容体遺伝子解析を応用した減量指導

(8) β-3アドレナリン受容体遺伝子変異はダイエットによる減量効果に影響しない

 

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