運動の効果を無効にするセレノプロテインP

ダイエット
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ダイエットをしようとしている人やジムに行こうかと考えている人は、運動の効果を無効にする肝臓ホルモン、ヘパトカインについて知っていたほうがいいと思います。

運動の効果を無効にする肝臓ホルモン、ヘパトカイン、セレノプロテインP

金沢大学 医薬保健研究域医学系の金子 周一教授、篁 俊成教授および御簾 博文准教授らが、2017年に、米国の総合医学雑誌『Nature Medicine(ネイチャー・メディスン)』に発表した研究で、

[box class=”blue_box” title=”運動の効果を無効にする肝臓ホルモン”]肝臓から分泌されるホルモンである「ヘパトカイン」のひとつ、セレノプロテインPが、骨格筋に作用することで、運動を行っても、その効果を無効にする「運動抵抗性」という病態を起こしていることを発見しました。(1)[/box]

これは、一体どういうことかと思いましたが、

皆さんも、気が付いていると思いますが、運動の効果って、人それぞれで、すぐに成果の現れる人、そうでない人がいると思います。

要するに、肝臓から分泌されるホルモンのセレノプロテインPが体内に過剰にあると、いつまでたっても、運動しても体力がつかない状況になるとのことです。

ダイエットや運動療法が効かない人は、もしかしたら、肝臓ホルモン、ヘパトカインの一つ、セレノプロテインPせいかもしれません。

そんな厄介な物質が存在するですね、何のためにあるんでしょうか? 疑問ですが、、、

この研究ではわかったことは、

  • マウスに1日30分の走行トレーニングを1か月行ったところ、同じ強さ・同じ時間のトレーニングをしたにもかかわらず、セレノプロテインPがないマウスでは正常マウスと比べて、運動限界能力が約2倍に上昇することを見い出しました。
  • マウスに、1か月の走行トレーニング後に、血糖低下ホルモンであるインスリンの注射を行ったところ、セレノプロテインPがないマウスでは正常マウスと比べて、インスリンによる血糖低下作用が大きくなることが分かりました。
  • 正常マウスにセレノプロテインPを投与すると、運動後の筋肉において、運動のさまざまな効果を担うとされるAMPKリン酸化が低下することが分かりました。また、セレノプロテインPの筋肉での受容体であるLRP1を持たないマウスでは、セレノプロテインPを投与しても筋肉に取り込まれず、運動によるAMPKリン酸化は影響を受けないことが分かりました。
  • 運動習慣がまったくない健常者女性31人に、有酸素運動トレーニングを8週間行ってもらい、有酸素運動能力のマーカーとして最大酸素摂取量を測定しました。トレーニングの前後で、全体では最大酸素摂取量は高まりましたが、トレーニングをしてもあまり最大酸素摂取量が増加しない被験者がいました。そのような被験者では、トレーニング前の血液中のセレノプロテインP濃度が高いことが分かりました

[box class=”blue_box” title=”研究結果のまとめ”]

セレノプロテインPがない場合は、運動の能力アップなどのプラス効果。

セレノプロテインPがある場合は、最大酸素摂取量が増加しないなどのマイナス効果。

運動したとしてもその効果が無効になるという「運動抵抗性」を起こしていることが明らかとなりました

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また、セレノプロテインPの血中濃度は、2型糖尿病や脂肪肝の患者、高齢者で上昇しているとのこと。このような方たちは、セレノプロテインPが過剰にあるため、運動を行ったにもかかわらず、その効果が起こらないという病態が身体の中で生じている可能性があります。

確かに、高齢者になると、脂肪が燃やされにくいということがありますが、セレノプロテインPのせいでもあったのかもしれません。

セレノプロテインPは、インスリンの活性も下げますので(3)、細胞が糖を上手に使えなくなり、太やすくなります。

これまでも、”DNAの話”では、肥満に関する遺伝子を数々、紹介してきました。できるのであれば、ダイエットや運動の効果を効率よく上げるためにも、FTO, UCP1β3ARnなどの遺伝子型を調べた上で、今は、できないかもしれませんが、将来できるなら、血液中のセレノプロテインP濃度を測るのが、ダイエットのために良さそうです。

今後、セレノプロテインPの肝臓での産生を抑える薬や、筋肉での受容体であるLRP1に拮抗する薬を探すことが期待されまが、科研の研究でEPA (高コレステロール血症に使う薬)を肥満・2型糖尿病モデルマウスに投与したところ、セレノプロテインPを作るSepp1遺伝子の発現抑制が認められたとしています。(2)

個人的には、セレノプロテインPのような物質は、ジムに通っている人には、もってのほかなので、セレノプロテインPをどうやったら、自力で減らせるのとか、食事などで改善できるのか知りたいので、そのような研究を誰かしていただくとありがたいです。

参考文献:

(1) “Deficiency of the hepatokine selenoprotein P increases responsiveness to exercise in mice through upregulation of ROS and AMPK in muscle.
(ヘパトカインセレノプロテインPの欠乏は筋で活性酸素・AMPKを上方制御することによりマウスの運動反応性を増加させる)Nature Medicine 10.1038/nm.4295

(2) セレノプロテインPを介した脂肪酸によるインスリン抵抗性回復機序の解明

(3) A liver-derived secretory protein, selenoprotein P, causes insulin resistance. Cell Metab. 2010 Nov 3;12(5):483-95.

 

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