O型はA型、B型よりすい臓がんになりにくい
知っている方も多いと思いますが、すい臓がんは、あらゆる癌の中でも予後が悪く、5年後の生存率が5%未満と癌の中でも一番死亡率が高いです。[voice icon=”https://dnanohanashi.com/wp-content/uploads/2019/09/blanc_20190906_201628-300×293.png” name=”DNAパパ” type=”r”]すい臓がんは本気で危ないです。[/voice]
2009年に発表された、ゲノムワイド関連研究(GWAS)*1で、O型はA型、AB型、B型よりすい臓がんになりにくいという結果が出ました。
この研究は、約10万人を平均で8.5年追跡調査したデータがもとになっています。 結果的に316人がすい臓がんと診断されました。
そして、O型に対して、A型が1.32倍、AB型が1.51倍、B型が1.72倍、すい臓がんに対するリスクが高くなるという結果が出ました。
この結果は、O型がすい臓がんになりにくいという、これまでの疫学的証拠と一致しています。
下のグラフを、ご覧ください。O型は黒線、年々、すい臓がんが増えるが、O型が一番下で、他の血液型より、すい臓がんになる率が低い。

O型は黒線、年々、すい臓がんが増えるが、O型が一番下で、他の血液型より、すい臓がんになる率が低い。 参照:ABO Blood Group and the Risk of Pancreatic Cancer
同時期に発表された、もう一つの、ゲノムワイド関連研究(GWAS)*3 では、約2000人を対象に、50万か所のSNPsを特定し調査、すい臓がんと関連のあるSNPsを血液型に関係するABO遺伝子内に特定しました。
rs505922が見つかったSNPsの名前です。今後、すい臓がんの重要なマーカーになるの可能性が高いです。[voice icon=”https://dnanohanashi.com/wp-content/uploads/2019/09/blanc_20190906_201628-300×293.png” name=”DNAパパ” type=”r”]SNPs は(例)健康なグループに比べると、沢山あるDNAの配列の中で、一か所だけ違う部分。こちらのページ、SNPsついて、詳しく書いてありますので、ご覧ください。[/voice]
この研究でも、O型以外の人は、1.2倍、すい臓がんになりやすいという結果が出ました。
それから、2011年の日本のゲノムワイド関連研究(GWAS)*4の発表では、185のすい臓がんのケースと1465人の患者さんを対象にし、O型に対して、A型が1.67倍、B型が3.28倍のリスク増加なりました。[voice icon=”https://dnanohanashi.com/wp-content/uploads/2019/09/blanc_20190906_201628-300×293.png” name=”DNAパパ” type=”r”]日本人も同様の結果ですね[/voice]
すい臓がんになる理由
実は、どうして、すい臓がんになるか理由は、よくわかっていません。これから研究が、進んでいくようです。
ただ、今回紹介した研究*1で、血漿中の炎症を示すマーカーとABO遺伝子のSNPsがリンクしていると報告しています。
一つは、tumor necrosis factor-alpha, 炎症に関係する小さなプロテインで、すい臓の細胞の細胞死を調節します。
もう一つは、soluble intercellular adhesion molecule 1, 糖尿病と心臓発作の炎症のマーカーです。
血液型の抗原(赤血球の表面にあるプロテイン)が、これらの炎症マーカーの反応を変化させる可能性があり、それがすい臓がんのリスクと関係しているかもしれないと報告しています。[voice icon=”https://dnanohanashi.com/wp-content/uploads/2019/09/blanc_20190906_201628-300×293.png” name=”DNAパパ” type=”l”]慢性的な炎症が、すい臓がんのリスクを高めているとも言われています[/voice]
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ABO血液型 発見は1900年 そして、ABO遺伝子は1990年に
1900年、オーストリアのLandsteinerラントシュタイナー(1868~1943)は、人の血清に他の人の赤血球を混合すると、凝集する(固まる)場合と凝集しない場合があることを知って、血液に型のあることを発見しました。これが今日のABO血液型で、この発見は、血液に型のあることが知られていなかったために発生していた血液型不適合による輸血事故を減少させ、輸血を発展させるきっかけとなりました。現代の輸血の出発はLandsteinerラントシュタイナーの発見にあるといわれています。それから、90年たった、1990年にABO遺伝子が、発見されたそうです。*2 意外と最近です。参照:日本赤十字社 血液型について [/aside]
ABO血液型 発見は1900年 そして、ABO遺伝子は1990年に1900年、オーストリアのLandsteinerラントシュタイナー(1868~1943)は、人の血清に他の人の赤血球を混合すると、凝集する(固まる)場合と凝集しない場合があることを知って、血液に型のあることを発見しました。これが今日のABO血液型で、この発見は、血液に型のあることが知られていなかったために発生していた血液型不適合による輸血事故を減少させ、輸血を発展させるきっかけとなりました。現代の輸血の出発はLandsteinerラントシュタイナーの発見にあるといわれています。それから、90年たった、1990年にABO遺伝子が、発見されたそうです。*2 意外と最近です。参照:日本赤十字社 血液型について [/aside]
まとめ
私たちに、身近な血液型が、性格だけでなく、病気のリスクにも関連してるのは、驚きです。
しかし、、、
血液型を決めるABO遺伝子からできる、H抗原タンパク質(O型の場合)は、血液だけでなく、他の細胞にも存在すると言われています。
血液だけでも、体に対して、相当な割合を占めています。相当な割合を占める体の部分のでの違いは当然、健康や病気のなり易さとして表面に出てきてもおかしくはないです。
だから、血液型が、病気のリスクに関連するのは、改めて、当然だと思いました。
自分の血液型は、ほとんどの方が、知っていると思いますので、このブログを読んでいただいた皆様は、自分で、すい臓がんのリスクをある程度、知ることができると思います。
今回の話では、ご紹介していませんが、GeneLife genesis 2.0で、さらに、すい臓がんの6つの項目、NR5A2, ADIPOQ, FOXQ1, DPP6, KCNQ1, BICD1を調べることができますので、すい臓がんに関心のある方は、こちらをご覧ください。

リンク
参考文献:
*1、ABO Blood Group and the Risk of Pancreatic Cancer
*4、ABO blood group alleles and the risk of pancreatic cancer in a Japanese population.


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