GeneLife genesis 2.0 の360項目の遺伝子をよく見てみた。アルコール依存症の遺伝子 ALDH2 なるほどな話のまとめ
お酒は私も大好きで、普通に飲めるほうですが、よく、全然の飲めない人もいます。最近は、飲めないのは体質とか遺伝とかが原因とわかっているので、飲めないひとには、あまり無理にお酒を勧めたりしないと思います。
ご存知の方も多いとは思いますが、お酒が強いか強くないかの要因の一つは、お酒の代謝産物のアセトアルデヒドを分解する主要な酵素の2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きによります。ALDH2遺伝子に変異がある人は、2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱くなりますので、少しのお酒でも、血液のアセトアルデヒド濃度が急激に増加し、激しいフラッシング反応(顔面紅潮、嘔気、頭痛、眠気)を起こす為、ほとんど飲酒しません。もしくわ、少し飲みます。
| ALDH2遺伝子型 | 飲酒のタイプ | 日本人の比率 | アルコール依存症 |
| ホモ欠損型 | お酒が全然飲めないタイプ | 一割弱 | ほとんどない |
| ヘテロ欠損型 | お酒が少量なら飲めるタイプ | 三割強 | 少し可能性がある |
| ホモ活性型 | お酒が飲めるタイプ | 五割程度 | 可能性が高い |
面白いことに、少しお酒が飲めるALDH2へテロ欠損者の事ですが、1970年代はアルコール依存症患者の3%がヘテロ欠損者でしたが、現在では13%以上の患者がヘテロ欠損者だそうです。昔に比べ、今のほうが、もっとお酒を飲む機会が増えているということでしょうか。確かに、あまりに飲めない人が、会社やサークルで飲酒を鍛えられて、普通に飲酒するようになるケースがありますが、その事かと思います。ただ、ALDH2欠損者では飲酒による食道や咽頭の発癌リスクが高まるそうなので、気を付けたほうがいいです。(1)
ALDH2遺伝子型に変異がある人は、お酒があまり飲めないので、アルコール依存症にはなりにくいと思われます。遺伝子検査キットのALDH2遺伝子型項目は、アルコール依存症のなりにくさを示すものと思われます。
ただ、アルコール依存症は環境要因も関係しますので、一概には言えません。
この記事も、厚生労働省のℯヘルスネットに書いてあったのですが、依存症に関しては、これは一つのケースかとおもいますが、幼児期の性的虐待とその後のアルコール依存症への発展にMAOAの転写効率が関係しており、転写効率の悪い遺伝子を持った女児は効率の良い遺伝子を持った女児より依存症を発症する危険性が高いと報告されています。一方で性的虐待の経験のない子供ではMAOA遺伝子のタイプと依存症になる危険性は関係がないとされます。(2) 幼児期の性的虐待という環境要因と、MAOA遺伝子発現異常により、もっとアルコール依存症になりやすくなるケースです。幼児期の性的虐待、イコール、アルコール依存症ではないので、一応補足させていただきます。
ちなみに、このMAOA遺伝子は、暴力犯罪と関連する遺伝子ともいわれており、MAOA遺伝子は、依存症や快楽を経験する能力に関与する神経伝達物質「ドーパミン」の代謝に関連付けられてようです。(4)
暴力性とアルコール依存症が、MAOA遺伝子を介して関与しているようで、興味深いです。
それから、2013年の11月26日号 Nature communicationの記事には、英国の研究で、Gabrb1遺伝子に変異のあるアルコール依存症のマウスを作り出すことに成功したと報告しました。神経細胞同士の伝達にGABAという物質が重要な役割を果たしているそですが、その受容体遺伝子(Gabrb1)のある遺伝子型と、ヒトアルコール依存症との関連がこれまで多く報告されきて、今回はじめて、それを再現するマウスを作ることにできたそうです。Gabrb1は、この論文のせいで、酒好き遺伝子とか言われてしまっているようです。ただ、その後の研究についての記事は見つからず、現在の研究についてはわかりません。(3)
最後に、アルコール依存症における飲酒量低減薬が大塚製薬から発売されているようなので、興味のある方は、下記のの参考文献のリンクから、詳細をご覧ください。(5)ちなみに、このお薬は、中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体調節作用 (脳の神経のシグナルに関与している)を介して飲酒欲求を抑えるそうです。
アルコール依存症は、大人になってから起きるものですから、もし、遺伝検査することによって、自分にどれくらいリスクがあるのか分かれば、いろいろと、対策も打てるので、それなりにメリットがあるような気がします。
もし、遺伝子検査に興味がありましたら、こちらに、アルコール感受性をチェックできる遺伝子検査キットをご紹介いたしますので、よかったらチェックしてみてください。
参考文献:
(3) 11月28日:アルコール依存症の遺伝子(11月26日号Nature communication掲載、オリジナル記事)


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