GeneLife genesis 2.0 の360項目の遺伝子をよく見てみた。肥満タイプの遺伝子 UPC1

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GeneLife genesis 2.0 の360項目の遺伝子をよく見てみた。肥満タイプの遺伝子 UPC1

GeneLife genesis 2.0 の360項目の遺伝子のうち、肥満タイプの遺伝子は3種類あります。本日は、その内の一つUPC1について、ご紹介いたします。

UPC1 は人間のエネルギー(熱を作る、体温を上げる)を作るミトコンドリアの中で働き、熱エネルギーを作ります。あるUPC1の遺伝子型が、特に寒い状況下で、酸素をよく消費して体を温めるという研究結果が出ています。(6)

UPC1は、脂肪組織でも、茶色い色をした褐色脂肪組織にありまして、肥満の動物では UCP1 の機能が低下していて、多食しても肥満しない動物にはUCP1が沢山あるそうです。人為的にUCP1ができにくくなるマウスは肥満し、できやすいウスは痩せるということも分かっています。(1)

人間でも、UCP1の変異をもつ人ではエネルギーを燃焼させる多胞性脂肪細胞の働きが低下しており、やはり基礎代謝量が低くなります。(2)

日本人のおよそ4人に1人がUCP1の肥満遺伝子 (リスク遺伝子型)をもっていると推定されていますので、太りやすい体質の人が意外に多いです。(2)

リスク型のUPC1を含めて、これらの遺伝子を倹約遺伝子と呼び、こういう遺伝子を持つ人は、エネルギーを節約できる体質なので、あまり食べ物がない時代でも生き残ってきた可能性が高く、しかし、現代社会のような食生活の豊かな環境では、必然的にエネルギーの過剰摂取状態になりますので、肥満をまねきやすい要因となります。(2)

肥満タイプの項目の一つのUPC1でリスクの高い遺伝子型と出た場合は、どうしても、痩せにくいという事なので、医師、栄養士の方に相談するか、自分なりに食事を工夫したり、やはり、運動が大事ということになってくると思います。

ちなみにですが、まだ、市販の薬はないのですが、将来もしかしたら、UCP1を活性化させる薬ができる可能性があります。

β3刺激剤という物質が、UCP1を活性化し抗肥満効果があることが、肥満マウスと犬の研究で報告されています。ただ、日本の製薬会社が、この物質を糖尿病治療薬として、治験を始めましたが、糖尿には効果がなく、最終的には、頻尿の薬として商品化することができたそうです。β3アドレナリン受容体作動薬
ミラベグロン。(4)

2018年の研究では、現在既に、FDA (アメリカ食品医薬品局)に認可されている薬から、UCP1を活性化させる薬を探す実験が行われ、スニチニブ(商品名スーテント、sutent、2006年に腎細胞癌およびイマチニブ耐性胃腸間質腫瘍の治療用にFDAによって承認された経口、低分子、多標的受容体チロシンキナーゼ阻害剤)という薬が見つかりました。ただ、実際には、これから抗肥満薬として実験が始まるようで、期待はできますが、実用化にはまだ時間がかかりそうです。(5)

今回ご紹介いたしました、UCP1はGeneLife genesis 2.0 の肥満タイプの遺伝子 項目に入っています。

良かったら、ご覧ください。

 


 

参考文献:

(1) 肥満の科学[ II ]肥満のメカニズム 4.エネルギー代謝調節機構―UCP を中心に 第124回日本医学会シンポジウム

(3) UCP1はβ3作動薬の抗肥満効果に必須である、「肥満研究」Vol. 1 1No. 2 2005

(4) β3アドレナリン受容体作動薬 ミラベグロンの創製、ファルマシア・50巻・6号・533頁

(5) Screening of FDA-approved drugs identifies sutent as a modulator of UCP1 expression in brown adipose tissue、EBioMedicine. 2018 Nov; 37: 344–355.

(6) Experimental evidence reveals the UCP1genotype changes the oxygen consumption attributed to non-shivering thermogenesis in humans Scientific Reportsvolume 7, Article number: 5570 (2017) 

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